シュークリームラテと癒し

‘お客様、どのドリンクにされますか?’

私は普段、注文するドリンクの種類を聞かれる前にアメリカーノを頼む。カフェに行く理由はだいたい電源を借りてラップトップを使ったり本を読むためで、ドリンクの注文は適切な場所に入るためのチケットみたいなものだから。チケットがカラフルであろうと、モノクロであろうと、プラスチックカードであろうと、パンチカードであろうと関係ない。ただ入るのに問題がなければいいのだ。それに私はコーヒーの味もよくわからない。だから注文を聞いた瞬間、頭を飛ばして耳から口に直結する通路を通じて「アメリカーノ」と言おうとした。

シュークリームラテはいかがですか?

たぶんPOSのスタッフも考える前に言っちゃったんだろうね。そうじゃなかったら私の「アメリカーノ」注文が先だったはずだから。

‘あ、じゃあそれでお願いします。’

本社の方でシュークリームラテの売上が思ったほどじゃなくて、報告するときに困るから、注文を受けるときに簡単そうな客にはまずシュークリームラテを勧めてと言われたのかな?まあ、それは重要じゃないけど。私はドリンクを受け取り、近くの電源が使えるテーブルに座ってラップトップを取り出した。ゆっくり電源をつなぎ、Wi-FiをキャッチするためにAPを指定しながらシュークリームラテを一口飲んだら、すごく美味しかった!

こんな味があったんだ。新しい春の芽が出たばかりの芝生がいっぱいの丘の木陰に横たわって、爽やかな風に少し身をすくめてから、木陰を通して手の甲に降り注ぐ甘い日差しの一筋に救われるような感じかな?(実は春に丘を登ったことはないけど)

最近、生きるのがなかなか難しいからかもしれないけど、癒しがすごく人気のあるキーワードになった。周りにも癒しが必要だと言う人が多いし、メディアも癒しをテーマにしたコンテンツをたくさん出している。でも、みなさん、このドリンク一杯で即癒しを得られますよ!


癒しの話をするついでにもう一つ言うと、最近テレビを見ていて似たような経験をしたことがあった。『ヒョリの民宿』シーズン2の8話だったかな、少女時代のユナと俳優パク・ボゴムが民宿でアルバイトをしていた。

その時、夫のイ・サンスンはソウルで仕事をしていて、ヒョリは風邪で体調が悪くて作業室に一日中寝ていた。それでユナとボゴムは普段よりも一層頑張って民宿を運営していた。やがて長い一日が過ぎ、ユナは苦労したボゴムを宿に送り、疲れた体を引きずって作業室に入ったら、彼女を待っているヒョリ。その二人が眠る前に交わす会話がとても良かった。いや、実際には特別な言葉を交わしたわけじゃないけど、ただそうやって何か静かに話し合う姿が良かったのかもしれない。

‘ユナ、明日海を見に行かない?’

‘ええ、お姉さん。’

体調が悪い時は何をしようという言葉が出にくいものだ。その時ヒョリは本当にユナと海に行きたかったんだと思う。次の日になるとボゴムは朝食を用意し、ユナは空港でサンスンを迎えて戻ってきた。そして彼らは再び新しい客に宿を案内し、家の隅々を掃除し、ゲルと露天を点検した。

すべての仕事を終えた後、ヒョリは約束通りユナを連れて海を見に行き、ボゴムは本を一冊持って出て、日差しを浴びながら作業室の隣の椅子に座った。そして期待通り本を数ページめくった後、すぐに眠りについた。素敵なセリフもなく感動的なBGMもないスチールみたいな場面だったが、私はその暖かそうな日差しを見て最高の癒しを感じたんだ。


人生で最も幸せだった瞬間を話せというのは難しい質問だ。何か適当に話しても家に帰って眠る頃になって考え直すと「ああ、あれを話すべきだったのに!」と思う。実際、考える時間をたっぷり与えられても、ちゃんと話せる自信はない。幸せというのはなぜか壮大でなければならないようで、最高に楽しくなければならないようで、他の人が聞いた時も「わあ、本当にそうだね」と反応しなければならないようだから。軽々しく話してしまって「たったそれだけ?」と言われたら、生きてきた自分の人生がみすぼらしく感じて落ち込むかもしれない。

代わりに「最近楽しかった時」「最近癒しを感じた時」のように最上級を排除した期間限定の軽い質問なら、あまり悩まずにこれこれと気軽に話せる。そんな質問なら最近まで

サンフランシスコのコインランドリーで乾燥機のドアを開けてふわふわの洗濯物の上に乗っかって、ドライシートの香りを嗅いだこと

を思い出す。気分が悪くてもその時を思い出すと不思議とすぐに気分が良くなるから。ソウルの家にも乾燥機はあるけど、小さくて床に直接置かれているからその再現は無理だ。うつ伏せて頭くらいは入れることができるかもしれないけど、想像しただけで癒しとはかなり遠い。そうしている時に誰かがドアを蹴飛ばしたら、首にギプスをしなきゃいけないかもしれない。

とにかく、これからしばらくの間は気分が沈んだら乾燥機の代わりにシュークリームラテを飲みながら『ヒョリの民宿』のあの場面を思い出すことにすると思う。

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