
僕は髪の量が多くてすぐに伸びるから、かなり頻繁にヘアカットをしている。子供の頃は短い髪が好きじゃなかったから、今とは違って髪が結構長かったんだ。両親は僕が髪を切るのを見たいって思っていて、軍隊に行くのを待ってたくらい。でも、そんなに待つ必要がなくなったことがあったんだ。それは、友達の行きつけのヘアサロンに行ったことだった。✂️
友達は髪を切ってくれる人がすごく綺麗だと言っていて、それだけで行く理由は十分だった。友達と一緒にサロンに入ると、彼女は僕たちを見て微笑んだ。美しい彼女はまず友達を椅子に座らせてカットを始めた。友達はまるで修行僧のように静かに椅子に座っていて、彼女は友達の周りを回りながら神がかり的なハサミさばきを見せた。いつの間にか友達の髪は整えられ、彼女は修行僧になった友達を立たせた後に、指で僕を呼んだ。
「ここに座って」
タメ口で話す彼女。
「はい」
でも、丁寧に敬語を使う僕。
「どんなスタイルが好き?」
特に考えていたスタイルがなくて何と言おうか悩んでいると、
「似合うようにしてあげるよ!」
聞く気もないように堂々と話す彼女。
「はい」
と答えたけど、心の奥ではこう叫んでいた。
『似合うって何なのか、まずはっきりさせてください!何に似合うってことですか?一緒に来た友達に似合うってこと?それとも、僕の服に?まさか、次に髪を切りに来るまで座ることもないこの椅子に似合うようにカットするってことですか?それなら、遠慮します。よく聞いて!いや、ちゃんと聞け!長さは今の状態をある程度保ちながら、乱れた部分を整えて!前髪は眉毛を越えて両目の端にかかるようにして – 目に刺さると痛いから – 仕上げて、絶対に分け目ができないようにしなければならない!最後に、見た人がすぐに髪を切って来たって感じが全くしないようにしてほしい!ちゃんとわかったら、二回まばたきして!』
そんな考えをしている間もなく、彼女は友達の髪を切るときのように狂ったかのようにハサミを動かした。周りには髪が舞い散り、まるで桜の花びらが春風に舞うようだった。不安だった。気に入っていた長さはもう過ぎ去ってしまった。僕は目を閉じた。
カットが終わり、鏡を見た僕は驚かずにはいられなかった。その中には、独立運動に参加する前に決意を固めるために坊主にした学生が唇を固く結んで座っていたから。そんな姿は事実じゃないと願っていたけど、彼女の一言で現実になってしまった。
「あら、九条中学校の子みたいね。ホホホ」
彼女はもう美しくはなかったし、僕は母校でもないその中学校の名前を今でも覚えている。その時、隣に謙虚に座っていた友達も彼女と一緒に笑い始めて、それだけは本当に我慢できなかった。
君は修行僧のくせに…
