空港

空港

確かに‘空.港’だった。リスのように回る生活から少し離れた空間。他の場所より時間がゆっくり流れる空間。世界のどこに行くにも一時的に滞在しなければならない空間。旅立ちの空間。帰還の空間。世界と世界の間
国内線にIDはなぜ必要?

国内線にIDはなぜ必要?

彼女は荷物を載せてくださいという表情で私を見て、私はそうじゃないという表情で彼女を見た。その瞬間、私たちは何か通じ合ったようだった。彼女が私に『あの後ろの無人民願発給窓口で住民登録謄本を取ってきてください』と言ったからだ。どうやって私がその理由で来たことを知ったのかと尋ねると、彼女は『一日に10人以上です』と、呆れたように見つめる。私はその視線を無視し、謄本発給用キオスクの前に移動した。