弟は次の日一人で野球場に行った

僕はスポーツには全く興味がないけど、弟はほとんどのスポーツが大好きだ。家族ごとのスポーツ嗜好の法則みたいなものかな?弟は家にいるときはほとんどスポーツ番組に夢中で、野球、バスケットボール、ゴルフはもちろん、僕には静止画と変わらないマラソンまで真剣に観ている。🏃‍♂️マラソンは選手たちがほとんど同じペースで大きな変化なく走るから、解説者でさえ退屈しているのにね。せいぜい前の選手を追い越す場面が大イベントになるけど、サッカーやバスケットではそんなのは日常茶飯事で誰も気にしないんだ。変化もないし、説明する技術やルールもないから、解説者たちは試合よりも周囲の状況に集中していて、そんな理由でマラソン中継はスポーツ中継というより漫才番組みたいだ。

「今年の夏は本当に暑そうですねぇ?」🌞

「そうですね。だから思い切ってエアコンをいいものに変えました。」

「除湿機能があるんですか?今年は梅雨が長いらしいですね。」

「あ、それはよくわからないですね。あるのかな?」

「選手たちも皆エアコンを買ったでしょうね?」

「ロシアの選手には必要ないでしょう。寒いから。」

「ロシアは今回のマラソンに参加していないけど…」

そんな感じだ。僕にはマラソンの解説は絶対に一人ではできないと思う。それでも、弟はそんなくだらない話にも気にせず、マラソンをしっかり観るほどスポーツが好きだ。


そんな弟が野球を見るために、僕が住んでいたサンフランシスコを訪れたことがあった。サンフランシスコの海岸近くにはAT&Tパークという大きな野球場がある(今はオラクルパークに名前が変わった)。弟が来るまで一度も行こうと思わなかったけど、いざ入ってみると想像以上に広くて雰囲気も平和だった。僕たちはフードコートで腕より大きいホットドッグを買って、予約しておいた席を探して座った。向かいの外野の後ろがすぐ海だから、力のあるバッターならボールをヨットまで飛ばすかもしれない。⛵️

やがて野球ゲームで聞いたことのある懐かしいオルガンの音が聞こえて、観客たちは歓声を上げ始めた。その音は録音されたものを流しているのではなく、ライブ演奏だという。高まった雰囲気に、野球をよく知らない僕でも心がときめいた。でも、もともとスポーツに興味がなかったせいか、ゲームが始まるとすぐに退屈になった。その退屈を忘れるために、弟にあれこれ質問したんだけど…

(バッターが打った球がキャッチャーの上にフライボールになり、キャッチャーが捕ったら人々が熱狂)

– 球を捕っただけでなんであんなに喜ぶの?
「アウトカウントが一つ増えたじゃん。」
– それがどうして?
「…..」

(バッターが打った球が後ろに伸びていくのを外野手が捕ろうとして落とす)
– なんであれを落とすの?
「あれは簡単じゃない。走りながら捕らなきゃいけないんだから。」
– じゃあ止まって捕ればいいじゃん。
「…..」

– 150キロなら遅すぎない?メジャーリーグなら160超えなきゃ。
「そんな人メジャーリーグにもあまりいないよ。」
– ランディ・ローズいるじゃん。
「ランディ・ジョンソンだよ…」

– どうしてあんなに打てないの?150キロしかないのに?
「実際に見るとめっちゃ速いよ。」
– 僕たち今、実際に見てるじゃん?
「….」

– わぁ、サイクルヒットだね!
「テキサスヒットだよ。」

– おお!フルハウスになった。
「フルベースだよ。」

「選手たちの背中には名前がなくて背番号だけだよね?僕たちの国でもSKが真似して叩かれたんだよね。選手を見分けられないから。」
– 背中に名前があったの?
「….」

– バムガードの髭、なんであんなに汚いの?
「バムガーナーだよ…」

バムガードが唾を吐いた。それでもいいの?
「バムガーナーだってば!!」

翌日、弟は僕に言わずに一人で野球を見に行った。

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