
カズオ・イシグロの『ノクターン』は「音楽と黄昏に関する五つの物語」という副題がついた短編小説集です。
カズオは日本系イギリス人の小説家で、89年にブッカー賞、17年にはノーベル文学賞を受賞しました。ブッカー賞受賞作『日の名残り』が代表作として知られていますが、私は映画と共に『わたしを離さないで』を先に読み、個人的には『日の名残り』よりもこの作品が好きです。🎬
カズオの長編はほとんどがテーマを真剣に描いているので、読む間中ずっと集中してしまい、読み終えた後も余韻が長く残ります。そんな先入観を持ったままに接した『ノクターン』は、その固定観念を打ち破るのに十分でした。人生を描く真剣さはそのままに – 長編では味わえなかった – ユーモアとテンポ感が加わり、各エピソードの途中で本を置くことができませんでした。(彼の長編は重くて、かなり間を開けて読むことになりがちです)📚
五つの短編すべて良かったですが、個人的には『雨でも晴れでも』と『ノクターン』をおすすめします。特に『雨でも晴れでも』は本を読みながら声を出して笑ってしまうほど面白く、こんな経験はビル・ブライソンの『A Walk in the Woods』以来、久しぶりでした。状況の描写が非常にディテールで、本を読んでいるのにまるでドラマを見ているかのようです。会話のシーンを描写する際、台詞の伝達だけでなく、普通ではない状況のバリエーションを共に作り上げる下記のようなシーンもかなり良いですね。こんな技法はアマチュアには絶対にできませんね?😉
『完全に治る前に、つまり良い日に一日でも早くサックスを吹いたら、顔の皮膚が部屋中にバラバラに散らばってしまうわ!』彼女はこの考えがかなり面白かったようで、私に向かって首を振りながらまるでこんなウィットに富んだジョークを私が言ったかのようにこう叫んだ。『やめてよ、ひどすぎる!』
本が厚くもないので、ちょっとした時間を埋めたい方に軽くおすすめしたい小説、『ノクターン』です。📖