
週末の朝、自転車を押して家を出るたびに「今日はどこまで行こうかな?」と思う。大きな目標とかじゃなくて、また出発地点に戻らなきゃいけないから。いつもそうだった。どこかで180度ターンをして、また来た道を戻る。たまにはもう少し進みたいと思っても、すぐに止まってしまう。ごく稀にそこで「もう少し行こうかな…」と悩むこともあるけど、大抵はその場でさっと引き返す。燃料がほとんど残っていない小型飛行機のように、イベントホライゾンに直面した宇宙飛行士のように、未練なく本能的に方向を変えるのだ。
だから時々「帰る場所がなかったらどうだろう?」と考える。明日また働きに行く必要もないし、帰って洗濯物を片付ける必要もない、急いで食べなきゃいけない食材もないなら、私は止まらずに進み続けられるだろうか?道に沿って進みながら、道路脇のベンチで少し休んで、初めてのカフェに入って、初めてのレストランで食べたことのない料理を食べて、疲れたら周辺の宿で寝泊まりしながら…。それでも簡単にそうするとは言い切れない理由は何だろう?🤔
ユン・ジョンシンの11枚目のアルバムには、アルバムタイトルと同じ「街を一周」という曲がある。このアルバムでは「君に行く」という曲が有名だったが、私はこの曲が好きだった。🎶
季節の香りが開いた窓を越えて
狭い部屋から私を追い出した。
久しぶりに歩いているこの街
今見ると思い出だらけ
かなり前に失恋した主人公が、再びその季節を迎え街を歩きながら彼女を思い出すという少し切ない歌詞だが、私はこのような感性が好きだ。毎日同じであろう街の風景は季節と重なり、彼女と重なって新しい風景を重ね合わせる。そして、ある瞬間にその状況が絶妙に合わさると、街はその時の記憶がオーバーラップし昨日とは違う場所に感じられる。🌸
思い出のメロディーが空の上へ
私たちの街の空の今日の映画は
数年前君と私の別れの物語
また変わってしまった季節がくれた
この夜、街を一周して戻ります。
穏やかで明るいメロディーは、主人公がすでに痛みをすべて乗り越えたことを伝えている。しかし、それは忘れたい記憶ではない。彼にとって彼女との記憶は慣れ親しんだ街の風景のように大切なものなのだ。✨
季節は再び君を連れてきて
いつの間にかあの時の道を歩いている
足取りにリズムが乗り
君の声が聞こえ思い出のメロディーが空の上へ
今朝は少し遠くまで行ってみようかなと思った。長いライドを楽しむために、5曲を厳選して高音質ファイルをDAPに入れ、ワイヤードイヤホンも用意した。前だけを見て一気に走り、全く知らない場所まで行こうと思った。イヤホンを耳に入れて走っていると、3曲目にユン・ジョンシンの「街を一周」が流れてきた。漢江沿いに差し掛かった私は、その曲と共に自転車を回して街の路地へ入った。「街を一周」を聴きながら街を走るのは、高校の先輩であるボーカリストへの礼儀だから。もちろん彼は私を知らないけど…😅
そのように街の路地を走っていると、馴染みのカフェに入りコーヒーを注文し、コーヒーマシンが温まる間にカフェのオーナーから興味深い土曜の夜の話を聞いた。温かい朝日☀️の下、時間がいつもよりゆっくり流れているように感じた。すぐに温かいコーヒーを受け取り、彼女に挨拶をしてから再び自転車に乗った。知らない場所まで自転車を走らせたら、そんな楽しい話は聞けなかっただろう。私はゆっくりペダルを踏みながら再び街の路地に入った。🚴