四つ葉のクローバーとフラペチーノ

アメリカに住んでいた頃、休暇中にバックパック一つでヨーロッパを巡ったことがある。その時、サンフランシスコに住んでいて、友達に会いにトロントに行き、そのままロンドンへ飛んだ。ロンドンからユーロスターでパリに行き、再び飛行機でベルリンに到着したのは家を出てから約2週間後で、その旅の途中で私は疲れ果ててしまった。ヨーロッパの夏は本当に暑かった。さらに、私は旅行がそれほど好きな性格ではない。準備は国ごとの移動手段と宿泊施設の予約だけで、旅行先の計画は最初から立てていなかった。幸運にもドイツには古い友達が住んでいて、私はドイツに着くやいなや彼女に電話をかけた。

「メモできる?」

彼女は私にバスの路線をメモするように言った。

「明日の朝、ホテルの横からこのバスに乗って。バスの中で寝ちゃだめよ、窓の外を見て何か面白いものが見えたら降りて。そして、それを全部見たらまたバスに乗るの。」

そのバスはベルリンを横断し、有名なスポットをすべて通り過ぎるという。

「昼間はそんな風に旅して、夜は一緒にサッカーを見ながらご飯を食べるの。」

サッカーが好きなわけではないけれど、その計画は素敵だと思った。何よりも自分で検索して動線を考える必要がないというのが気に入った。


朝、ホテルを出ると、天気がとても暑かった。

少し遅く出たせいか、ホテル周辺はとても静かだった。もちろん、もともと静かな地域なのかもしれない。友達に教えてもらった通り、ホテルの横の停留所でバスを待った。15分ほど待っただろうか。ホテルの裏手からバスがゆっくりとした速度でやってきた。バスにはほとんど乗客がいなかった。後ろの席に座ってゆっくりと動く窓の外の風景を眺めた。友達は何か良いものが見えたら降りろと言っていた。しばらく行くと、かなり大きな白い建物が見え、私は思わず降車ベルを押した。

遺跡や博物館だったらよかったのに、あいにくその建物はシュプレー川沿いの国会議事堂だった。私はソウルでも国会議事堂の前に行ったことがない。大きく失望して再び停留所の方へ歩いていると、道の向かいに大きな公園が見えた。私はゆっくりとその公園の中に入っていった。時間は海の砂のようにたくさんある。

公園の外側は観光客が結構いたけれど、中のソビエト戦争記念碑の像の近くは深海のように静かだった。何人かの人々は絵の具から絞り出したばかりのような緑の芝生の上で横たわって休んでいて、私も彼らがいる芝生の近くにそっと入り込んで座った。小さい頃から「芝生を守ろう」という看板に慣れている私にとって、芝生を踏むたびに罪悪感を覚える。
座って地面に手をつけると、まだ朝露を含んでいる芝生がひんやりと感じられる。手でそっと撫でると、まるで濡れた髪を撫でるかのようだ。ああ、これが芝生に座るという良い気分なんだな。みんなのように寝転んでみようと思って周りを見渡すと、そこにはクローバーの葉もたくさんある。

大学の時、合宿で行ったことがある。合宿キャンプの隣の芝生を歩いていると後輩がクローバーの葉がいっぱいあるのを見てしゃがみ込んで、すぐに四つ葉のクローバーを見つけた。実際に四つ葉のクローバーを見たのはその時が初めてだった。その後輩は私に四つ葉のクローバーを渡してくれて、数日後に召集令状を受け取った。軍隊での生活も楽しいと思っているので、不幸の前兆だったとまでは思わないが、その四つ葉のクローバーが幸運をもたらさなかったのは確かだ。でも、今回は違うだろう。四つ葉のクローバーの花言葉が「幸運」であることは誰もが知っていることだから。その理由で四つ葉のクローバーを探し始めた。

クローバーなら本当に田舎の夜空の星のようにたくさんあったので、少し探せば簡単に3つか4つは見つかると思ったのに、20分以上探しても一つも見つからなかった。おかげで軍隊に再び行くことはなかったが、かなり失望してしまった。たまたま持っていた本もあって、見つけていたらとても素敵に押し花にできたのに…


ゆっくりと公園を歩き出し、近くの普通のスターバックスに入って普通のストロベリーフラペチーノを注文した。四つ葉のクローバーを見つけたら、もっと素敵なローカルカフェを見つけられたかもしれないと思いながら、甘いフラペチーノを一口飲んだ。すると、そのフラペチーノの一口で気分がうそのようによくなった。四つ葉のクローバーはどうでもよかった。

生きていくということは、フラペチーノで四つ葉のクローバーを忘れることに似ている。

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