村上 T

本屋をぶらぶらしていたら、新しく発売された村上春樹の本に出会いました。✨ 春樹の小説も好きですが、個人的には彼のエッセイがもっと好きです。彼のエッセイは、観念的で重たい他の作家のものとは違い、日常のエピソードを中心に軽く日記のように書かれていて、読むのに負担がありません。そして、文体が洗練されていて無駄がないのが基本です。何もすることがない時に軽く手に取って、さらさらっと読み進めていました。彼が発刊したエッセイ集はかなり多いですが、「象の工場のハッピーエンド」や「走ることについて語るときに僕の語ること」は、今でも気分が落ち込んだ時に手に取ってどこでも開いて読む本の一つです。(めっちゃ面白いです)📚

春樹は雑誌でエッセイのコラムを担当し、それらを集めてエッセイ集として出版することが多いですが、この本もそうしたきっかけで、1年半の間に連載した18本のコラムをまとめて発刊したそうです。📖

結論から言えば、それほど面白くありませんでした。 

「ラオスに一体何があるの?」や「ザ・スクラップ」程度に退屈でした。でも、春樹のエッセイを初めて読む人にもつまらないと断言するには少し自信がありません。彼の文章にあまりにも慣れ親しんでいる私にだけ当てはまる退屈さかもしれないからです。いつも繰り返されるウイスキー、ジャズ、マラソンの比喩に新しさを感じられなくなって退屈だったのかもしれませんが、それとは少し違う理由があったのかもしれません。その話をもう少ししてみると…🎷🏃‍♂️

春樹のエッセイにジャズ、ウイスキー、マラソンが頻繁に出てくるのは事実ですが、それらは物語を進めるための触媒として機能しているだけです。軽いエッセイでも、ほとんどの場合は伝えたいことがあり、それを柔らかく展開する際にそれらの小道具を使っていました。そして、その伝えたいことは常に比較的新しくて新鮮でした。スケールが非常に大きいとか、世の中にない発想ではなかったが、それなりに3、4ページのエッセイの中では「キラリ」と光っていました。しかし、この作品にはそうしたものがありません。いや、それはすでにTシャツとして固定されていると言うべきか。結局、各Tシャツに関連するエピソードで話を進めなければならず、それがジャズ、ウイスキー、マラソンだったのです。👕

そして、ページを増やすために末尾に掲載されている特別インタビューは、まさに最悪でした。あんな質問だなんて!いっそ路上のホームレスに質問を用意させた方が、それよりは面白いと思います。🤔

でも、初めて読む方には面白いかもしれません。本のページが厚くて量もそれほどないので、本屋でサッと読めるかもしれません。印税をたくさん渡したであろう出版社には少し申し訳ない気もしますが…📚


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