
「あぁ、またこぼしちゃった。トマトって本当にどんなに気をつけて食べても、こぼさずには食べられないんだよね。」🥲
「トマト?それはこぼれるように設計されているからだよ。」🤔
「どういうこと?」
それはちょっと長い話だ。
「トマトがどこで最初に発見されたか知ってる?」
「ん?さあ、ヨーロッパじゃないかな?あの料理にはトマトがしょっちゅう使われてるし。」
知らないだろうと思っていた。
「トマトはもともと南米ペルーのアンデス山脈で発見されたんだ。それから16世紀初頭に南米からヨーロッパに渡ったの。最初は毒草として扱われていたんだって。ほとんどの果物には甘さがあるけど、トマトは果物のように見えても甘さがないからね。」
私は説明を続けた。
「人類にとって健康が重要なテーマになってから、甘さのない果物であるトマトはどんどん人気が高まったんだ。トマトはアメリカのタイムズが選んだ10大スーパーフードのひとつで、成分もほぼ完璧。🍅 ビタミンCはトマト1個で1日の摂取量の約半分が含まれていて、カリウムは体内のナトリウムを排出する役割を果たすから、高血圧にも役立つんだ。リコピンという成分は抗酸化物質のひとつで、細胞の若さを保つ役割をしてくれるんだって。さらに、男性の前立腺癌や女性の乳癌、消化器系の癌を予防するのにも効果があるんだ。お酒を分解するときにできる毒性物質を排出する役割もあるから、君みたいにお酒をよく飲む人にはほぼ祝福みたいな果物だよ。」
「でも、トマトって果物なの?」
「実はそれにはちょっと議論があるんだ。もともと木からなるものが果物で、畑からなるものが野菜だよ。もっと学術的に言えば、野菜は一年生植物で、果物は多年生植物なんだ。でも、茎からなる果物のように見える野菜もあるんだ。スイカ、トマト、イチゴ、トウモロコシがその種類だよ。トマトはその中でも果物っぽすぎて、裁判にまで行ったことがあるんだ。1893年にアメリカの最高裁判所は学術的な区分方法のほかに、自国の農民を守るために野菜と判決したんだ。輸入野菜には10%の関税をかけられるからね。」
「複雑だね。でも、トマトがこぼれるように設計されているってどういうこと?」🤨
「あぁ、それはちょっと複雑な話で、直感的に理解できる内容じゃないかもしれない。」
「私の理解力が早いって知ってるでしょ?」
人間が一般的に受け入れるタイムラインの観点では直感的な理解が不可能だという話だ。
「うん。実はトマトについて説明する前に、地球の主人についての話をする必要があるんだ。」
「地球の主人?」
そんな反応は当然のことだ。人間にとって地球の主人公は人間だけだから。
「そう、地球の主人。もうすぐ出かけなきゃいけないから簡単に話すよ。信じ難い話だけど、それを受け入れると、トマトを食べるたびにこぼしてしまう理由が明確になるよ。」
でも、受け入れられないだろうけどね。
「人間の祖先は地球に新生代末期に初めて現れたんだ。それが約6700万年前だから、先カンブリア時代の始まりである46億年前と比べると、人類が地球に存在してきた期間は地球の歴史において爪の先ほどもないということを知っておくべきだよ。最初に地球が球体の形を整えた時期が先カンブリア時代で、その時にいくつかの隕石と衝突したという話を地球科学の時間に聞いたことがあるだろう。その時に地球に初めて生命体が隕石を通じて到着したんだけど、もっと正確に話すと生命の起源が未確認物体によって地球に伝達されたんだ。その後、原生代に至って地球に大気が生まれ、生命体が登場し始めたんだ。その時の生命体は外界から伝えられた生命の起源が遺伝子複製されて、地球のいろいろな化学的特性を考慮したテイラリングを経て、さまざまな形態の生命体のシードに作り上げられたんだ。そして、地球にプランティングされたんだよ。」
生命の起源が未確認物体によって伝達されたということだけを聞けば、なんとなくそうなのかと思える内容だ。
「実は宇宙に地球のような星ができるときにはいつもそんなメカニズムが発動するんだよ。誰によってかは分からないけど、『生命の起源が未確認物体を通じて伝達され、その未確認物体内のシステムによって生命の起源がその星の特性に応じて適切に遺伝変形され、その星に植え付けられる』。もちろん、星はものすごく多くて、いろいろな問題が起こりうる場合の数もとんでもなく多いから、成功確率は非常に低いんだ。知ってのとおり、太陽系だけでも成功したのは地球だけだもんね。」
「君、小説書いてるの?」
そんな面倒なことをするわけないじゃないか。
一般的に地球に存在する期間である百年ほどが普通の人が論理的思考を適用できる絶対的期間であり、その先を考える人はごく少数だ。予測というのも1か月先、1年先、長くても数年先を見据えることにしか集中しないからね。カンブリア紀、オルドビス紀は歴史を勉強するときに一度聞いて、恐竜と関連づけて暗記するくらいの代名詞で、直感に響く理解ができる時代ではないから。だから、地球の起源を語るときに向き合う時間はまるで映画を見るように、ドラマを見るように、そういうふうにしか迫ってこない。それはさておき、理解するかどうかは別としてトマトの話を終わらせちゃいましょう。
「それじゃあ、トマトの話に戻るね。とにかく、地球は人類よりもはるかに進んだテクノロジーを持つ – あるいはそれを超越した絶対主義的な – 主人によって設計されていて、彼らは地球上のすべてのものをコントロールしたがっているんだ。君が自分の家のエアコンのリモコンが消えるのを我慢できないようにね。何かを作って管理するという概念は生命の起源を作った存在自体の特質で、それは人間の遺伝子にも伝わっているんだ。それゆえに人類は自然に仕事をし、システムを作り、維持メンテナンスをし、問題が生じたら解決するんだよ。とにかく、地球をコントロールするための装置は遺伝学的進化を通じてすでにたくさん準備されていると思っていいよ。そして、トマトはその中で地球の表面の形状や高さを識別するのに重要な役割を果たしているんだ。」
「トマトが地球の表面を?」
もうミーティングの場所に移動しなければいけない時間だから、できるだけ早く終わらせなければならない。
「魚群探知機って知ってる?」
「それは釣りをする人が魚が多い場所を見つけるために使う機器じゃない?」
「そうだよ。その機器はエコーの原理で動作するんだ。魚群探知機のセンサーからは超音波が発信され、この音波が魚群や海底に当たると反射されて再びセンサーに受信されるんだ。その戻ってきた時間を音波の速度と掛け合わせると音波の移動距離が分かるんだ。このとき反射波の強さを分析して、魚群の大きさや密度、あるいは海底の形状や地質を画面に表示するようになっているんだ。もちろん技術は違うけど、似た原理で動作する – 魚群探知機のような – 機関が地球の中心に存在していて、この機関は生命の起源が未確認物体によって伝達されるときにその星の中心に一緒に植え付けられるんだ。この機関は継続的にその星の表面の形状や素材情報を収集し、定期的に全宇宙の生態系を管理する存在に送るようになっているんだ。実はもっと正確に言うとその存在によって情報が収集されるんだけど、それは重要じゃないから。」
ある時点からは思考が停止したような表情をしている彼だったけど、私は説明を続けた。とにかく早く出発しないと次のミーティング場所に時間通りに到着できないのだ。
「未確認物体たちが地球を訪れるときに必要な情報があるんだけど、それが星の表面情報なんだ。着陸しなきゃいけないから。私たちが飛行機を飛ばしたりロケットを打ち上げたりするときには常に戻る場所の座標を入力しておくって知ってる?毎回紙飛行機を投げたりおもちゃのドローンを飛ばすようにアドホックで着陸地点を探すわけじゃないんだ。でも、地球は人類によって表面が絶えず変化しているから、かなり頻繁に調査しないといけないんだ。」
「…」
「トマトの種とそれを包んでいる粘膜は地球の中心に植え付けられている機関から発信される波動を最もよく反射できる物質なんだ。『機関は波動を発信し、トマトの種と粘膜はその波動を反射する。』そうやって魚群探知機のように地球の表面をずっとスキャンしているんだよ。トマトは皮の内側に比較的広い空間があり、その中に湿った種が入っている構造だよね。どこかの端を一度でもかじれば外部とつながった大きな穴ができて、その構造的特徴で食べている間中トマトの外壁に作用する力と重力によって空間に存在した湿った種が地面に流れ落ちるんだ。要するに『食べている間に種が流れ落ちて地面に落ちないわけにはいかない』そんな構造で設計されていると考えればいいよ。人類がトマトをかじって食べる限り、地球の表面は絶えずスキャンされるんだ。宇宙生物たちが地球を訪れるときにU.F.Oの着陸地点が見つかることが少ない理由があるんだよ?」
「…」
「じゃあ、私はミーティングがあるから先に行くね。」
…
..
「うん..そうだね。」
どうやらこれからはこの友達と一緒に果物を食べるのは避けたほうがいいなと思いながら、約束の場所に向かった。🚶♂️