
一緒に働く友人たちと注文津にワークショップに行った。出発する当日までプロジェクトに追われていて、みんなが車に乗り込んで駐車場を出るまで実感が湧かなかったという。もちろん私もそうだった。時間が過ぎ、養老高速道路を走る車の中で酔っていると、やっと「遠くへ行くんだな。」と思った。🌊
大関嶺にトンネルができてからは、ソウルから江陵まで必死に走れば2時間もかからない。幼い頃、車酔いがひどかった私にとって曲がりくねった大関嶺峠は人生最初の難関だった。その道に入ると、宇宙船の乗組員のように後部座席で目をぎゅっと閉じ、慣性の法則に身を任せ、海上帰還の瞬間を待っていた。そして、気がつけば誰もが一息つく大関嶺休憩所に到着する。🚗💨 車のドアを開けると、四季を問わず冷たい風が吹き込んできた。まだ夢の中にいるような状態で、風の音に誘われて歩き出し、目の前に広がる江陵と日本海の絶景は、今でも時々昨日のように思い浮かぶことがある。しかし、今では苦しかった車酔いや感激した景色はトンネルと共に人生の後ろに閉じ込められてしまった。人生はそんなことの繰り返しだ。
午後7時頃に到着した注文津はすでに周囲が真っ暗で、近くの宿を見つけるのにも時間がかかった。荷物を適当に置いて、先に到着していた友人たちが見つけたというカニ料理のお店へゆっくりおしゃべりしながら歩いた。薄暗い古い道を歩いて注文津港へ向かうと、干物を売る店が見えてくる。🦀
‘あそこだよ。’
指差す方向を見るとカニ料理店があり、その隣に海が見えた。🌊
‘最後に海を見たのはいつだったかな?’
突然思い出せなかった。そして、大関嶺を最後に越えた時も思い出せない。これから海を見る機会は多いだろうけれど、大関嶺はおそらく死ぬまで再び見ることは難しいだろう。まるで古い恋人のように。🌊
‘あの向こうには「トッケビ(ドラマ)」で出てきた灯台もあるよ。今は暗くて見えないけれど、明日の朝に行ってみよう。’
会社でなければ「トッケビ」に出た灯台ではなく、妖怪が出る灯台でもよかった。私たちはお腹いっぱいカニを食べて、宿に戻って朝4時までお酒を飲み、早起きして昨日話していた灯台前のカフェでコーヒーを飲んだ。海に面した窓から降り注ぐ日差しを浴びながら、誰に向けて言うでもなく「暖かいのを見るとまだ冬じゃないね。そうだろ?」とつぶやいた。
‘カフェの中だから暖かいんだよ。’
誰かが答えたが、私は「君に聞いたわけじゃないよ!」と言いたかった。でも、この時期は確かに冬だから。❄️