
音楽が流れないカフェを見たことがありますか?
少なくとも私はありません。飲み物を注文する時も、カウンター横のスツールに座ってコーヒーを待つ時も、席についてホッとするときも、カフェにはいつも音楽が流れていました。でも、カフェが音楽ストリーミングサービスと提携し、彼らが提供する『カフェで聴くのにぴったりな曲集』のような戦略的プレイリストを流し始めてから、
「あ、この曲!」
という瞬間がほとんどなくなってしまいました。🎶一生懸命に続く曲を聴いても、知っている曲はなかなか出てきません。音楽には誰にも負けないくらい聴いてきたと思っていたのに、プライドが傷つきました。もしかしてカフェで流れる音楽は、秘密の作曲工場で戦略的に生産されているんじゃないか?
「さあ、マイケル。早く始めよう。1時間ほど重複なしで再生する曲が必要だよ。」
「座って1時間以上居座る人もいるんじゃないの?ノートパソコンとかを前に置いてさ。」
「そんな人たちは大体ヘッドホンをして、自分の好きな曲を聴いてるよ。」
「塾に行った子供を待つママたちの集まりはどうなの?普通2〜3時間は待ってるみたいだけど…」
「そんな人たちはおしゃべりに夢中で、音楽なんか気にしてないよ。これ、初めてだから気になることが多いかもしれないけど、私たちこれを一日二日やってるわけじゃないから、言われた通りに曲を作り出してよ!もう夜の1時じゃないか!一度説明するから、よく聞いて。曲はまずシンプルであるべきだよ。作業を止めて『これ、いいね!』となるような曲はダメだよ。ビルボードに載ったら給与カットってことを忘れないでね。もちろん悪すぎてもダメさ。『音楽がひどくてここには来たくない』と思われるといけないからね。」
「いい曲ならいいんじゃないの?」
「彼氏と一緒に来たのに自分に興味がなくて音楽に夢中だっていうクレームが結構入ってるんだよ。そして、楽器はあまり使わないで。ジャンルはフォークかカントリー調がいいね。メロディラインに高音をのせてボーカルを目立たせないで。歌手が誰かってカウンターに聞かれるのはうんざりなんだよ。それと、ドラムは使わないで。人々は頭が響いて嫌がるから。起承転結もサビも必要ないよ。テーブルの表面みたいにシンプルで、『この曲はクライマックスがないね』って声すら出ないのがベスト、『曲がいつ変わったの?』ってなったらボーナスをあげるよ。さあ、早く行こう。」
まさか、そんなことはないよね。昔はカフェごとにオーナーが良いスピーカーを用意して、自分だけの選曲でプレイリストを一日中流していました。お客さんの反応を密かに期待していた人も多かったかもしれません。私も音楽が良ければ、カウンターに駆け寄って『これ、誰の音楽ですか?』と聞いた記憶があります。🎧
ジョン・メイヤーの『Back to You』(この曲は『Room For Squares』に収録されている曲で、シングルカットはされていません)も、ホンデのあるカフェで聴いて、以来自分のプレイリストに加えて時々聴いています。あのハゲたオーナーのおじさんがいなかったら、私は一生この曲を知らなかったかもしれません。そんな理由で、たまに昔のふかふかした椅子に沈み込み、音楽を聴いていた古いカフェが懐かしくなることがありますが、だからといって清潔なフランチャイズのコーヒー専門店が嫌いというわけではありません…☕
パパ、ママ、どっちも好きってことです。ただ、そう言ってるだけです。