人類の危機とアベンジャーズ

この世界はいつの間にかあまりにも巨大で複雑になり、一人では何もできなくなってしまった。それはきっと誰の意志でもなかっただろうが、とにかく私が生まれたときには社会はすでにそうだった。

最初の階級社会以来、大多数は組織の目標達成のための道具として誠実に役割を果たしてきたが、組織が巨大になるほど個人の役割と組織目標とのギャップはますます広がっていった。そしてそのつながりがだんだんと薄れていくにつれ、人々はより安心できた。責任の枠から解放されることができたからだ。巨大な機械の中の小さな歯車は、ただ誠実に回転していればいい。その機械が車を作ろうと、武器を作ろうと、人々の頭を狙って実弾を飛ばすドローンを作ろうと関係ない。

数年前、グーグルが『プロジェクトメイヴン(アメリカ政府ペンタゴンの機械学習を活用した無人航空機のターゲット識別力向上プロジェクト)』に参加することになり、彼らの行動規範から『Don’t be evil』を削除したというニュースを聞いたとき、人類がするすべてのことが本当に『人類にとって必要なことなのか?』と考えずにはいられなかった。グーグルの一部の開発者は辞職したり、ピチャイ(グーグルのCEO)に嘆願書を提出したりしたが、大多数の社員は自分たちがそのようなことに加担しているとも知らず、歯車のように黙々と働いている。
人々はイ・セドルを破ったアルファ碁に熱狂するが、そのディープラーニング技術で都市で地面と人々の顔を正確に区別し、一発の弾丸も無駄にせずそれに実弾を当てる技術を生み出すこともできる。もちろん、体内の癌細胞と一般細胞を正確に区別することもできるだろうが…とにかく、何かが一度作られれば取り戻すことはできない。そしてそれと共に生きていかなければならないのだ。さらに、特定の技術を悪用する方法は精神異常者だけが考えつくものではない。悪い人とは言い難いアインシュタインもナチスの恐怖のために原子爆弾を開発するべきだとしたマンハッタン計画の提案書を書いてしまったのだから。結局、この社会がどんな試みも肯定的に包装されるほど巨大で複雑であることが問題なのだ。

朝鮮時代には人々は今のように長くは生きられなかったが、少なくとも一瞬で地球が人類によって滅亡する危機は存在しなかった。少なくともその時に生まれていたら、今のように何が真実で何が嘘かもわからない状態で混乱した日々を送ることはなかっただろうに。🌏

Now we are all sons of bitches!(私たちは今や皆、ろくでなしだ!)

ケネス・ベインブリッジがマンハッタン計画で初の原爆実験(トリニティ)を行った後に言った言葉を聞いて、『少しは誇らしげな気持ちもあったのだろうか?』と思ったものだ。そんな考えを持つと、その実験に参加した人々が本当にろくでなしのように感じられた。グーグルのクラウドビジネスのCEOであるダイアン・グリーンも後で似たようなことを言うことになるかもしれないが、やはりその理由で『テンソルフロー(TensorFlow: グーグルのディープラーニングプラットフォームサービス)』サーバーを爆破しようとは思わない。すでにこの世界はあまりにも複雑になりすぎていて、テンソルフローが必要な理由を数百個はすぐに挙げることができるからだ。

不幸にも、私たちが頼ることができるのは今や『ジョン・コナー』や『アベンジャーズ』だけなのかもしれない。


Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *