最近、제주도での1ヶ月暮らしが流行っているそうです。
1ヶ月というのは、どこで暮らすにも中途半端な期間だ。周りに慣れた頃には帰る準備をしなければならないからね。でも、旅行にはちょうどいい期間でもある。かつてローマで1週間滞在したとき、あの熱い日差しが嫌で3日目に荷物をまとめて空港に向かったことがある。すぐに出発しなければならない用事があったため、イタリア航空の図々しいスタッフのおかげで、結局宿に戻らなければならなかったけど…。
後輩の一人が제주도で家を改造してゲストハウスを作ったんですが、そういう人たちが結構来るそうです。
「1ヶ月暮らす？」と思いながら通り過ぎたが、その翌週に제주도に行くことになった。
제주도は子供の頃に何度か行ったが、特に良かった記憶はない。さらに、あまりにもよく聞くので飽き飽きしているところもある。まるで名前だけで飽きてしまうサントリーニやモンマルトルの丘のように。だから、大きな期待はなかった。제주도に行くというよりは、ただ서울を少し離れることに大きな意味があった。誰が何と言おうと、今はバケーションの季節なのだ。
2泊3日なら旅行バッグも必要ない。シャツ数枚、下着、そして洗面道具をバックパックに詰め込んで軽やかに飛行機に乗った。1時間ほどのフライトで제주도空港に到着。荷物を探すのに騒がしい人々の間を通り過ぎ、空港の端の自動ドアの前に立つと、開くドアの奥から熱い空気がわっと押し寄せてきた。疲れる前にさっさと車をレンタルし、目的地に向かった。滞在する地域はあまり知られていないので、有名な他の地域よりは静かだと言われていた。そうして閑散とした道を走って到着した宿は、独立した一軒家を丸ごとレンタルする形式で、元々住むために建てられた場所らしく、一時的な宿泊施設とは少し違っていた。まず、その場所の庭には大きな石臼がある。
通常、ホテルは夜の疲れを癒し、ぐっすり眠れる機能に集中している。仕事でも旅行でも、疲れた一日を過ごしたお客様が最短時間で効率よく疲れを癒せるようにするためだ。スタッフはお客様が部屋に入った瞬間に快適にシャワーを浴び、テレビを見ながらベッドに横たわって眠れるように動線を構成し、物を配置している。その努力によって、お客様はわずかな動きで的確にベッドまで移動できる。ドアを開けるとエアコンがつき、ベッドに横になって手を伸ばすとナイトテーブルの上のテレビリモコンが手に触れる。でも、住むための家は少し違う。実用的というよりは心の平和を与えられる場所であるべきだ。望むならいつでもラーメンを作って食べられるし、一日中家にこもって音楽を聴いても窮屈に感じない。中古レコードショップでLPを買ってプレイしたくなったらすぐに帰りたくなる場所。たまに庭に出て石臼を回して運動できれば言うことなし。(運動には興味ないけどね) 🌿
エアコンのリモコンを探し回らなければならないのなら、そこは間違いなく生活のための家だ。家ではそもそもそんなものがナイトテーブルの上に置かれているはずがないからね。
そうしてホテルよりも家に近い宿に荷物を解き、空腹を満たすために近くを無計画にぶらつき、食事をする場所を探した。すると、歩く路地ごとに可愛らしいお店がたくさんある。こんなに隠れていると人が見つけにくいと思ったが、いざ入ってみると席がかなり埋まっている。旅行先で無計画に歩き回るのは自分だけだ。そこで食事をして、疲れてすぐにまた宿に戻った。そして庭に座って次の食事を検索し、再び少し昼寝をした。제주도では午後5時にはほとんどの店が閉まるので、少しでも遅れると夕食を食べる場所がなくなる。もちろん起きられなくても、買っておいた食材で一食くらいは作れる。それが家というものだからね。🍽
宿にいるときはいつもリビングの古いラジオをつけていたが、庭に横たわっていると開いたドアの隙間から音楽が流れてきた。耳を傾けるのではなく、聞こえてくる音楽もなかなか魅力的だ。まるでタクシー運転手のおじさんたちがかけるラジオのように…その時流れてきたスティービー・ワンダーの『Overjoyed』は、今でも私にとって제주도의テーマ曲のようで、聴いているとあの場所の空がそのまま目の前に広がる。🎶
2泊3日は本当に短い期間で、行ってすぐに家に戻ってしまったが、今はなぜ人々が「제주도での1ヶ月暮らし」を話すのか少しわかる気がした。次に行くことがあれば、ぜひウニの麺を食べてみたい。🍜